外壁塗装を安くする方法をご紹介~4つの工夫と制度活用で賢く対策~

持ち家に住み始めて10年くらいすると、外壁塗装について調べる方もでてくるでしょう。初めての場合、インターネットで費用相場を検索して「こんなにするの!?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。この記事では初めて外壁塗装をする方に向けて、費用が高くなる理由や安く抑えるための具体的な方法を解説します。

補助金・助成金の活用法から、見積もりの比較方法、塗料の選び方まで、納得感と品質を両立させるための秘訣をご紹介。

外壁塗装の費用は高い?理由を知って賢く対策

外壁塗装費用を抑える

外壁塗装が初めての方は、相場や見積もりを調べて「なぜこんなに高いのだろう?」と思われるかもしれません。一般的に、延床面積が30坪の場合の外壁塗装の費用相場は約78万〜118万円になります。詳細は「【シミュレーション付き】我が家の外壁塗装の費用相場は?横浜市の相場もご紹介」のコラムもご覧ください。

しっかりとした外壁塗装を行う際には、以下のような観点からどうしてもある程度の金額が必要になります。

  • 建物の耐久性や外観を維持するために正しく塗装する⇒塗装代
  • 塗装に欠かせない作業を行う⇒高圧洗浄費・養生費・下地処理費
  • 安全性を確保した足場を組んで作業する⇒足場

そのため、大前提として手抜き工事や事故に繋がりうるような安くする方法は避ける必要があります。単に「高い=損」というわけではなく、建物の耐久性や外観を保つための外壁塗装には不可欠な要素と考えましょう。

安さを売りにする外壁塗装業者に注意

改めて注意喚起として、安さをアピールする外壁塗装業者の場合、もしかしたら以下のような手抜き工事を行っているかもしれません。

  1. ①一般的に3回塗りが必要なところ、2回塗りで終わらせる
  2. ②別の工事で使っていた塗料の残りを使っている
  3. ③塗装前の高圧洗浄や下地処理をしていない
  4. ④養生が省略されている箇所がある

例えば①〜③の場合、塗装した外壁の耐用年数が短くなってしまい、すぐにやり直す羽目になる可能性があります。安いからといって、目先の金額だけで判断すると、結果として100万かけて10年は外壁が持つところ80万で3年しか持たない、といった事態に陥るかもしれません。

④の場合、塗装対象の外壁以外にも塗料がついてしまい、思わぬトラブルへと発展しかねません。その他、安さを売りにして訪問営業している悪徳業者もいるため注意が必要です。

「外壁塗装の悪徳業者に要注意!悪徳業者の特徴や実態とその対策」のコラムもご覧ください。

外壁塗装の費用を抑えるための4つの工夫

4つの工夫

外壁塗装はこの先数年〜十数年と建物の耐久性、美観を保つ役割を持つため、安く抑えるとしても正しい方法を知っておく必要があります。見積もりの取り方や施工のタイミング、塗料選びの視点など、ちょっとした工夫をするだけで、数万円単位の差が生まれることは少なくありません。

ここでは、納得感と品質を保ちながら外壁塗装の費用を抑えるための、実践的な4つの工夫をご紹介します。

工夫①:複数社から見積もりを取得

外壁塗装費用を安く抑えるための一番重要な工夫は、複数社からの「相見積もり」を取ることです。業者ごとに提示される金額や工事内容、保証の範囲が異なるため、比較することでご自宅の適正価格や、信頼できる施工内容が見えてきます。適正が見えてくれば、正しく判断することに繋がります。

見積もりを取る際は、塗料の種類、施工範囲、足場代の有無などを明記してもらい、条件を揃えて比較することがポイントです。また、単に安さだけを追求するのではなく、見積もり時の担当者の対応や説明の丁寧さも、業者選びの大切な判断材料になります。納得できる内容かどうかを見極めることが、失敗しないための鍵となります。

「外壁塗装の見積もり時の注意点は?後悔しないために知っておくべきこと」のコラムもご覧ください。

工夫②:屋根塗装と同時施工で足場代を節約

屋根塗装と同時に依頼することも有効です。外壁や屋根塗装する際に組む足場代は15〜25万円ほどかかります。そのため、外壁と屋根の塗装時期がずれてしまうと、それぞれで足場を組む必要があり、単純に足場代の費用が倍になってしまう可能性があります。

同時施工なら、足場代を1回分にまとめることができるのが最大のメリットです。さらに、工期の短縮や人件費の削減も期待でき、結果的にトータルコストを抑えることができます。例えば横浜市のような住宅密集地では、足場設置の際の近隣への配慮も一度で済むため、効率的とも言えます。ただし、一度にまとまった費用が必要となるため、事前の資金計画や業者との詳細な打ち合わせが重要です。

「外壁・屋根塗装の費用相場とは?同時施工のメリットや補助金も解説」のコラムもご覧ください。

工夫③:塗料は「初期費用」だけでなく「耐用年数」も考慮

外壁塗装費用を安く抑えるためには、初期費用にとらわれず、「耐用年数」に注目して塗料を選ぶことも重要です。アクリルやウレタンといった安価な塗料を選んだ場合、数年で再塗装が必要となり、長期的には塗り替え回数が増えて費用がかさむ可能性があります。

一方、シリコン、フッ素、無機塗料などの耐久性の高い塗料を選ぶと、初期費用は高くなりますが、塗り替え回数を減らせるため、結果的にコストパフォーマンスが良くなります。例えば横浜市で海側に面しているような地域であれば、海風や紫外線の影響が強いため、耐候性の高い塗料を選ぶことで建物の保護効果も向上し、長期的に建物を守ることにつながります。

種類 耐用年数 費用(㎡単価相場)
アクリル塗料 5~7年 1,000~1,800円
ピュアアクリル塗料 15~20年 3,500~5,000円
ウレタン塗料 8~10年 1,800~2,500円
シリコン塗料 12~15年 2,500~3,500円
フッ素塗料 15~20年 4,000~5,500円
無機塗料 20~25年 4,500~6,000円
ラジカル塗料 13~16年 3,000~4,000円
光触媒塗料 15~20年 4,000~5,500円
ナノテクノロジー塗料 10~15年 3,000~4,500円

「外壁塗装にはどういった種類の塗料がある?種類やメリット・デメリットを解説」のコラムもご覧ください。

工夫④:閑散期(夏・冬)に工事を依頼

外壁塗装の費用を抑える一つのテクニックとして、閑散期(夏・冬)に工事を依頼することも有効です。外壁塗装は気候の安定している春や秋に依頼が集中し、業者が忙しくなるため、通常価格での対応が基本となります。

しかし、夏や冬など比較的依頼が少なくなる閑散期は、業者の予約が取りやすく、割引キャンペーンの適用や価格交渉できる可能性が高くなります

注意点として、夏場は台風などの影響で工期が延びてしまう場合があるため、施工スケジュールには余裕を持つことが重要です。冬場でも気温が5度を下回ると結露の影響で塗装ができない場合があります。

横浜エリアでは冬場でも平均気温が5度を下回らない傾向にある(参考データ:気象庁)ため、施工可能な日もそれなりにあると考えられますが、時期による違いを理解し、計画的に検討しましょう。

「外壁塗装に適した時期・季節はいつ?塗り替え周期の目安も解説!」のコラムもご覧ください。

注意:「仲介料なし」の自社施工がよい?

費用を安く抑える方法として、仲介料のない自社施工の外壁塗装業者へ依頼する選択もあります。ただし、ここで注意しておきたいのが、正しい業者選びです。

自社施工という観点ばかりに気を取られて、前述した手抜き工事をしている業者に依頼してしまっては、塗装した外壁の耐用年数が短くなったり、やり直しが必要になったりと、結局コストがかかることになります。

仲介料のある会社では、ただの紹介手数料として扱っているところもありますが、かながわ住宅コープでは、単なる仲介だけではなく、見積もり価格が適正かどうかのチェック・工事状況の確認・アフターケアの対応まで、丸投げではない幅広いサービスを提供しています。適正な仲介手数料は、安心・安全を得るための対価としてとらえることもできるでしょう。

「おすすめの外壁塗装業者はどこ?優良業者の選び方・注意点を解説」のコラムもご覧ください。

制度活用でさらに賢く節約

外壁塗装の助成金

外壁塗装費用を安く抑えるテクニックは、業者選びや塗料選びだけにとどまりません。国や自治体の制度を味方につけることで、さらに賢く節約することが可能です。

ここでは、外壁塗装に使える助成金や実質負担額を減らせる可能性のある火災保険の活用法をご紹介します。

外壁塗装工事に補助金・助成金は使える?

外壁塗装に使用可能な補助金・助成金が存在します。なお地域によっては外壁塗装工事に使える助成金がない可能性もあります。

例えば、神奈川県においては、海老名市や座間市などいくつかの市町村で上限額を設けた補助制度がありますが、横浜市では外壁塗装を直接支援する補助制度は確認されていません。そのため、お住まいの地域で補助制度の有無については調べる必要があります。

「【2025年最新版】横浜市の住宅の外壁塗装に利用できる助成金・補助金制度【一覧付き】」のコラムもご覧ください。

自然災害由来の外壁の損傷には火災保険

外壁塗装費用を安く抑える方法として、加入している火災保険が適用できるかを確認することは非常に有効です。火災保険は火事だけでなく、台風・落雷・雹害など、自然災害による建物の損傷にも適用される場合があります。

ただし、経年劣化や施工不良による傷みは火災保険の対象外です。あくまで突発的な自然災害による被害(例:台風で飛んできた物が外壁に当たり傷がついた)が対象となります。

横浜市のように台風や強風の影響を受けやすい地域では、知らないうちに保険対象となる損傷が発生している可能性もあります。保険適用には、損傷から3年以内の申請、免責金額を超える修理費用、補償対象の保険プランに加入しているなどの条件があるため、保険会社に確認することが重要です。

「外壁塗装に火災保険を適用するためには?条件や申請手順などを紹介」のコラムもご覧ください。

安全性と仕上がりにリスクのあるDIYは原則NG

塗装のDIY

外壁塗装費用を安く抑えるためにDIYを検討される方もいますが、安全性と仕上がりの面で大きなリスクを伴うため、基本的におすすめできません

特に高所での作業や足場の設置が必要なケースでは、転落事故などの危険性が高く、専門知識と安全対策が不可欠です。また、外壁塗装は単に色を塗るだけでなく、下地処理や適切な塗料の選定、塗装が品質に直結します。これらの専門知識が不足していると、塗膜の剥がれ、ムラ、雨漏りなどの施工不良につながる可能性が高くなります。

結果として、やり直しや修繕により、お金と時間と労力が無駄になるケースも少なくありません。費用面、安全面、そして長期的な品質の観点からも、プロの施工業者に依頼することが最善の選択と言えます。

「外壁塗装のDIYは可能?「一部だけなら自分で……」その判断危険かも」のコラムもご覧ください。

まとめ:外壁塗装は「安さ」追求より「納得感」を重視

この記事では、外壁塗装費用を賢く安く抑えるための具体的な方法を解説しました。外壁塗装の費用が“何に対してかかっているのか”を理解し、ただ安くするという考えではなく、相見積もりなどを取って適正価格を理解したうえで、屋根との同時施工や塗料選び、塗装時期、さらには制度を駆使して、品質とコストを両立した外壁塗装を実現しましょう。

大切なのは、単に「安さ」を追求するのではなく、長期的な視点で「納得感」のある価格と品質を手に入れることです。

かながわ住宅コープでは、横浜市をはじめとする地域の特性を熟知した上で、適正価格で高品質な外壁塗装を提供しています。お客様のご予算やご要望に応じた最適な塗料の提案、補助金に関するアドバイスなど、お客様の「納得感」を重視したご提案をお約束いたします。外壁塗装に関するご相談や無料の見積もり依頼は、ぜひお気軽にお問い合わせください。