雨どいの仕組みや特徴についてご紹介

横浜市中区に拠点を構えるかながわ住宅コープは、住宅専門の生協として住宅リフォームをはじめ
シロアリ予防・外壁・屋根塗装・防水工事などのサービスを提供しています。
適正価格はもちろんのこと 技術力や対応の面においても、
皆様に安心してご利用いただける住宅工事をお届けしております。

本日のブログでは、皆様のご自宅にもある身近な「雨どい」について
詳しくご紹介してまいります。

雨どいとは?

雨どいとは、屋根や外壁に設置される、雨水の排水設備です。
屋根面を流れる雨水を集め、管を通して、外壁づたいに地上まで導き、排水します。
雨水が、外壁へ流れ込んでしまうことを防ぎ、外壁を、雨による劣化や汚れから守ります。

また、雨どいは屋根の下の地面や道を通る人を雨水で汚してしまうことや、
隣の住宅の外壁を雨水で汚れてしまうことを防ぎます。
勢いよく落下する雨の音が騒音に繋がってしまうことも防いでくれます。

雨の日のこうした周りへの配慮も、雨どいの普段あまり意識されない用途の一つです。
梅雨や台風など雨量の増える季節が近づいたら、雨どいの点検をしてみましょう。

雨どいの仕組み

雨どいは、主に「軒(のき)どい」「集水器(しゅうすいき)」「堅(たて)どい」という3つの部分からなっています。

軒どい
「軒どい」は、屋根の軒先に沿って、橫向きに取り付けられる雨どいです。
屋根から流れて来た雨水を受け止めます。
軒どいには、わずかに傾斜がつけられていて、受け止めた雨水を「集水器」へ流します。
集水器
「集水器」は器(うつわ)のような形をしている雨どいの一部です。
集中してくる雨水を溜(た)めておけるように、受け口が広くとられ、ある程度の容量を持っています。
雨水はここでまとめられ、管に収められて「竪どい」へ流されていきます。
竪どい
「竪どい」は、外壁に縦方向に取り付けられる、筒状の雨どいです。
雨水は筒状の管の中に収められているので、外壁を濡らすことがないようになっています。
雨水は、「竪どい」を通って、地上や、地中の排水管へ流されていきます 。

水平な屋根やベランダ・バルコニーも排水が必要です

陸屋根(りくやね)と呼ばれる水平な屋根や、ベランダ・バルコニーなども、
雨水を集めて、地上まで排水する必要があります。

陸屋根などの雨どいも、傾斜屋根の場合と同じように
排水溝」「ドレン」「竪どい」という3つの部分からなっています。
陸屋根が傾斜屋根と違うところは、軒どいを持たないところと、
「パラペット」と呼ばれる低めの壁で、周りを囲んであるところです。

ベランダ・バルコニーの外側の立ち上がり部分も、パラペットと呼ばれています。
人や物の転落を防ぐ目的のほか、雨水が外壁へ流れてしまうことを防いでいます。

陸屋根やベランダ・バルコニーはほぼ水平に見える場所ですが、雨水を流すための緩やかな傾斜がつけられています。
その傾斜に沿って、雨水は「排水溝」へ流され、「ドレン」に集められ、「竪どい」へ流されていきます。

雨どいを設置することで、住宅の屋根に降った雨水を自然に流れるままにまかせるのではなく、
管の中を通し、建物と隔てて流れる道筋をコントロールして行きます。

地上まで流された雨水は、その後、いくつかの方法により処理されていきます。

  • 竪どいから敷地内の地面に、直接排出する
  • 竪どいを地下の「雨水(うすい)マス」に接続し、雨水マスから徐々に地中に浸透させることで排出する
  • 「雨水マス」から雨水管(うすいかん)を通って、河川や海などへ排出する
  • 「雨水マス」から下水管、下水処理を経て、河川や海へ排出する

などです。

雨水の処理方法は、自治体によって違いがありますが、住宅で集められた雨水は、
最終的にその地域の公共の排水の仕組みに組み込まれていくことになります。

自宅の屋根に降った雨水を、適切に排水していくことは、住宅を雨水から守ることや、
雨水を原因とする近隣とのトラブルを回避することと共に、私たちの住宅が、
地域の規模の大きな排水の仕組みの中で、一つの大切な部分を受け持っていくことに繋がると言えるかも知れません。

雨どいに不具合があるとどんな影響があるか

雨どいがきちんと機能しなかった時の影響は大きくなります。

1、雨どいから溢れた雨水が、流れ込んだ先で住宅を傷める原因になります。
  • 軒裏(のきうら)や外壁へ流れ込んだ雨水は、内部に染み込み、建材を腐食させたり、雨漏りを起こしたりします。
  • 地面に落下した雨水は、地面に溝を作り、地盤を軟弱にしてしまいます。
    住宅の土台周辺を、湿気の多い環境にして、土台部分を傷めてしまいます。
    雨水の侵入やシロアリの発生に繋がります。
2、外観を損ないます。
  • 軒裏(のきうら)や天井裏に流れ込んだ雨水が、軒天や天井裏に雨染みを作ります。
  • 外壁に流れ込んだ雨水は、表面の埃を巻き込んで外壁面を伝うので、落ちにくい雨筋をつけてしまいます。
  • 地面に落下した雨水は、建物の土台に水はねの跡をつけたり、湿気によりコケやカビを発生させたりします。
3、近隣の住宅に迷惑をかけます。
  • 地面に落下した雨水が、はねあがり、近隣の住宅の外壁や玄関先を汚します。
    水たまりを作り、車や人の通行を妨げます。蚊が発生しやすくなります。
  • 高い位置から落下する雨水は、騒音の原因になります。
    とりわけ夜間の、規則的に滴り落ちる雨音は、大きなストレスの原因になります。

雨どいは、雨の日にだけ使われ、不具合に気付きにくい場所でありながら、住宅の外側に設置されているために、
きちんと機能しなかった場合の影響は、自宅だけでなく、近隣に及んでしまう可能性があります。

雨の日には、

  • 雨どいや集水器から、水が溢(あふ)れていないか
  • 雨どいのつなぎ目から水が漏(も)れていないか
  • 地面への排水や、排水管への接続に問題はないか

などに目を向けてみることをお勧めします。

雨どいの構成

雨どいは、多くの部分が組み合わされていて、それぞれの部分には名前がつけられています。

    • 軒どい(のきどい)
    • 軒継手(のきつぎて)
    • 軒曲がり(のきまがり)
    • 止まり(とまり)
    • 集水器(しゅうすいき)
    • エルボ
    • 呼び樋(よびどい)
    • 竪どい(たてどい)
    • 這い樋(はいどい)
    • 竪継手(たてつぎて)

などです。

部分同士の接合部分は、雨どい専用の「接着剤」で強力に接着されます。

軒や外壁に、「取り付け金具」によって固定します。
「取り付け金具」は、使用する雨どいのメーカーが指定する、専用の金具を使用します。

雨どいの素材

雨どいの素材には

      • 塩化ビニール
      • ガルバリウム鋼板
      • アルミ
      • ステンレス

などがありますが

現在は、ほとんどの住宅で「塩化ビニール製」の雨どいが使われています。

メリットとデメリット

メリットは
  • 素材が軽く組み立てやすい
  • 形や色のバリエーションが多い
  • 安価である などです。
デメリットは
  • 紫外線に弱い
時間の経過にともない
  • 弾力性がなくなる
  • 硬くなる
  • 割れやすくなる
熱によって
  • 変形する

などです。

雨どいの耐用年数と劣化した時の症状には、その雨どいを作っている素材自体の耐用年数と劣化症状が反映することになります。

塩化ビニール製の雨どいの耐用年数は20年程度とされています。
劣化症状は、時間の経過とともに、雨どいを構成するいろいろな部分に現れてきます。

雨どいの経年劣化の症状

初期の劣化症状は各部分の

      • 色褪せ・変色
      • 小さなひび割れ
      • わずかな歪み・変形
      • 小さな穴があく

接合部分の「接着剤」の劣化による

      • わずかなゆるみ
      • わずかなズレ

「取り付け金具」の劣化による

      • サビ
      • 変形
      • 曲がり

これら全ての影響による

      • 軒どいの傾斜のわずかな変化

などです。

経年劣化の初期の症状は、症状が出た場所の部分的な補修や交換で対応できます。
雨どいはいろいろな部分が組み合わされてできているため、症状のでた部分だけを補修することができます。

気付かずにそのままでいると…

      • 割れる
      • 歪み・変形
      • 穴があく・欠ける
      • 接合部分に隙間が開く
      • 接合部分が外(はず)れる
      • 取り付け金具が折れる・壊れる
      • 取り付け金具が外れる
      • 軒どいの傾斜の異常
      • 軒どいの雨水が流れなくなる
      • 軒どいの雨水が逆の方向に流れる

などの損傷や不具合に進行し、雨水が漏れたり溢れたりします。

経年劣化でこれらの症状が現れた場合は、部分補修や交換ではなく、全体の交換をお勧めします。

さらに そのままでいると…!

軒どいや竪どいの落下
取り付け金具の落下
などの可能性があり、とても危険です。

雨どいの損傷

台風や大雪などの自然災害や、外部からの衝撃によって、破損することがあります。
経年劣化がある程度進んでいる雨どいは、ダメージが大きく、強風で飛ばされたり、雪の重みで軒どいが歪んでしまったりします。

雨どいがまだ新しく、劣化があまり進んでいない場合は、壊れた部分の補修や交換で対応出来る可能性もありますが、
災害時の損傷は一部だけでなく、全体に及んでしまうことが多いようです。

劣化や破損以外の不具合

雨どいに何も問題がないにもかかわらず、雨水が溢れる場合は、ほとんど場合「詰まり」が原因となっています。
詰まるものは、落ち葉・花びら・枝・砂・埃・土・その他ゴミなどの異物になります。

落ち葉や砂は雨水で流され、軒どいから集水器、竪どい、雨水マスの順に流れていきます。
長い間メンテナンスをしないでいると、しだいにどこかの部分で、詰まりが発生する可能性がでてきます。

台風の前後や落ち葉の季節の後などに掃除をするのが理想ですが、
普段見ることのできない、手の届かない場所なので、なかなか難しいものです。

雨水が上手く流れていないと感じたら、早めに点検・掃除することをお勧めします。
屋根や外壁の工事で足場を組む時は、ぜひ雨どいも一緒にメンテナンスして下さい。

雨どいの保護

      • 屋根や外壁と一緒のタイミングで塗装することをお勧めします。
        一般的な雨どいの素材である塩化ビニールは、紫外線によって劣化します。
        劣化が軽く、状態の良い雨どいは、塗装で表面を保護することで劣化を遅らせることができます。
        色褪せした外観もきれいになります。
      • 詰まりを防ぐため、「落ち葉よけネット・落ち葉よけシート」を取り付ける方法もあります。
      • 屋根から落ちてくる雪による歪みを防ぐため、「雪止め」を設置することで雨どいを守ることができます。

雨どいは、住宅を雨水から守ってくれる大切な排水設備です。
詰まりを防ぎ、丁寧にメンテナンスしていきましょう。

かながわ住宅コープでは、「消費者の立場に立った住まいづくり」を基本理念に掲げ、
住まいに関するトータルプロデューサーとして、皆様の理想の住まいづくりをサポートしています。

リフォーム工事において、料金、技術、業者の対応などで「どこに頼めば良いのか分からない…」という方は、
お気軽にご相談ください。