外壁の断熱リフォームで得られる効果は?工法ごとに特徴と費用を解説

冬の寒さや夏の暑さが辛い方、電気代を節約したい方のなかには、
外壁の断熱リフォームを検討している方もいらっしゃるでしょう。
リフォームを行って断熱性を高めると、住宅の快適性も高まります。

今回の記事では、断熱リフォームの工法ごとの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
断熱リフォームの基本的な情報が知りたい方に役立つ内容ですので、
住宅リフォームの際はぜひ参考にしてください。

外壁を断熱すると得られる3つのメリット

外壁を断熱すると、主に3つのメリットがあります。

  • 寒暖差をなくせる
  • 電気代が削減できる
  • カビ・結露を防げる

それぞれのメリットについて、順番に解説するので参考にしてください。

メリット①寒暖差をなくせる

外壁を断熱すると、寒暖差をなくせます。
冬は室内の暖かい空気を外に逃さないようにし、夏は外から熱気が入らないようにする効果があります。

急激な寒暖差は、心筋梗塞や脳卒中の原因になるといわれており、特に冬は健康被害にあうケースが多いです。
高齢者や持病のある方は注意が必要です。

断熱リフォームで室内の寒暖差を少なくすると、健康被害の予防にもなります。

メリット②電気代が削減できる

断熱リフォームを行うと外気温の影響を受けにくくなるため、エアコンやファンヒーターなどの電気代を削減できます。

酷暑や極寒でもエアコンを極端な設定温度にする必要がありません。
室内を過ごしやすく保ってくれます。

メリット③カビ・結露を防げる

外壁を断熱リフォームするメリットの最後は、カビ・結露を予防できる点です。
外気と室内の温度差が小さくなるので、結露やカビが発生しにくくなります。

カビを放置するとアレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
また、結露は住宅を劣化させるため、注意が必要です。
良い状態で長く住み続けるために、外壁で断熱できるよう施工するのがおすすめです。

外壁に使用される断熱材|種類と特徴

外壁に使用される断熱材には、主に以下のような種類があります。

  • 無機質繊維
  • 天然素材
  • 発泡プラスチック
  • 断熱塗料

種類ごとにメリット・デメリットがあり、
住宅の構造・工法によって最適な素材が異なります。
それぞれの断熱材の特徴を順番に紹介します。

無機質繊維

無機質繊維は、無機質材でできた繊維素材です。
主流はグラスウール(ガラスが原料)、ロックウール(岩石が原料)などです。

メリット
  • 価格が安い
  • 耐火性/防音性が高い
デメリット
  • ホルムアルデヒドが含まれている
  • 水分を吸収すると断熱性が低下する

無機質繊維は、安価で耐火性や防音性を求める場合に向いています。

無機質繊維に含まれているホルムアルデヒドは微量ですが、
シックハウス症候群が心配な場合は、ほかの断熱材を選ぶのが無難です。

天然素材

天然素材には、羊毛・コルク・セルロースファイバーなどがあります。

メリット
  • 防音性・吸湿性が高い
  • 環境に優しい
デメリット
  • 価格が高い
  • 耐火性・防虫効果が低い

アレルギーが心配だったり、環境に優しい素材を使いたかったりする場合、天然素材を選ぶとよいでしょう。

発泡プラスチック

発泡プラスチックはプラスチック成分を発泡させたもので、ウレタンフォームが一般的です。

メリット
  • 耐湿性が高い
  • 隙間なく張れる
  • 耐震性が高い
デメリット
  • 価格が高い
  • 施工が難しい

軽量で建物への負担が少ないため、老朽化が心配な住宅にも向いています。
ただし、価格はほかの素材より高めです。

断熱塗料

断熱塗料は、熱を遮断する効果がある塗料を指します。

メリット 外壁の補修が同時にできる
デメリット 塗料のため断熱材に比べると効果が低い

断熱塗料で外壁を塗装すると、外からの熱を遮断できます。
しかし、塗るだけで十分な断熱効果を得るのは難しいため、ほかの工法との併用がおすすめです。

外壁の断熱リフォームの工法|費用相場と特徴

外壁の断熱リフォームには、主に3つの工法があります。

  • 外断熱工法
  • 充填断熱工法
  • 断熱塗装

それぞれの特徴と費用相場を紹介します。
選ぶ工法だけでなく、使用する断熱材・施工範囲・依頼する業者によって
費用が変動するため、目安としてご覧ください。

外断熱工法

外断熱工法は、建物の外側を断熱材で覆う方法です。
使用する断熱材は発泡プラスチック系が主流です。

外張り断熱工法も、外断熱工法に含まれます。2つの工法の違いは対象となる建物です。

費用相場 外断熱工法:約100~200万円
外張り断熱工法:約50~200万円
工期 外断熱工法:約2~4週間
外張り断熱工法:約2~3週間
メリット
  • 隙間が出にくく断熱効果が高い
  • 結露対策になる
  • ランニングコストを軽減できる
  • 住みながらリフォームできる
デメリット
  • 断熱材の量が多く必要なため費用負担が大きい
  • 壁が厚くなり、家が全体的に大きくなる

外断熱工法は主にコンクリート構造の建物、外張り断熱工法は木造・鉄骨造の建物が対象です。
外張り断熱工法と外断熱を総称して「外断熱」と呼ぶケースもあります。

断熱材の分、家のサイズが大きくなるため敷地に余裕がないと断熱工法は向いていません。
また、壁にカビが発生しているとそのままリフォームができず、一度壁を撤去する必要があります。

充填断熱工法(内断熱工法)

充填断熱工法は建物の内側を断熱材で覆う方法です。内断熱工法とも呼ばれます。

費用相場 約50~300万円
工期 約3週間~1ヵ月
メリット
  • 素材の費用が安い
  • 断熱材が劣化しにくい
デメリット
  • 吹き付けには技術がいるため、費用が高くなったり施工が不十分だったりする
  • 室内の家具類を移動させる必要がある

外壁と建物の間に断熱材を敷き詰めたり、吹き付けたりします。日本の住宅で多く採用されている方法です。
工事中は一時的に部屋を借りて生活しなければならず、そのための費用が別途必要になります。

また、外断熱と充填断熱を組み合わせたハイブリッド断熱もあります。

断熱塗装

断熱塗装は、外壁の上から塗料を重ねる方法です。

費用相場 約80~160万円
工期 約1~2週間
メリット
  • 短期間で済む
  • 外壁の補修が同時にできる
デメリット
  • 断熱塗装だけで十分な断熱効果を得るのは難しい
  • 一般的な塗装より費用がかかる

単独で施工されるより、ほかの工法と合わせて施工されるケースが多いです。
外壁の断熱効果を高めたい場合は、ほかの工法と合わせて検討しましょう。

外壁の断熱リフォームで利用できる補助金

外壁の断熱リフォームは、条件を満たせば補助金制度の対象になります。
省エネ・バリアフリーなどいくつかの種類がありますが、
断熱リフォームは省エネに分類されます。

以下は、利用できる補助金の一例です。

  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
  • 次世代省エネ建材の実証支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業

補助金は、国によるものと自治体によるものとがあります。
適用される条件が異なるため、詳細が知りたい場合は専門業者に相談しましょう。
問い合わせる際に「対象になる補助金があれば利用したい」と意思を伝えるのがおすすめです。

外壁の断熱リフォームの工程

外壁の断熱リフォームの方法別に工程を解説します。以下3つの工法が対象です。

  • 外断熱工法の場合
  • 充填断熱工法の場合
  • 断熱塗装の場合

工程を知っていると工事の手抜きや施工ミスの防止につながるため、
ぜひ確認してください。

外断熱工法の場合

外断熱工法(外張り断熱工法)の基本的な流れは以下のとおりです。

  • 外装部を解体する
  • 構造用の合板を設置する
  • 断熱材の仮止めをする
  • 継ぎ目を気密テープなどで貼り合わせる
  • 透湿防水シートを施工する
  • 胴縁を取り付ける
  • 外壁材パネルで仕上げる

既存の建物に外張り断熱を行う場合、外装部を解体する作業と費用が増えます。
また、外壁を新調する場合も費用が増えるため、注意してください。

充填断熱工法の場合

充填断熱工法の基本的な流れは以下のとおりです。

  • 柱や構造の間に断熱材を敷き詰める
  • 断熱材を固定する
  • 透湿防水シートを施工する

内容は簡単ですが、施工する範囲が広いためすべてが終わるまでに時間がかかります。
吹き付けで施工する場合、断熱材を乾燥させる必要があるためさらに工期が長くなるでしょう。
天候に影響を受けるケースもあるため、注意が必要です。

断熱塗装の場合

断熱塗装の基本的な流れは以下のとおりです。

  • 足場を設置する
  • 外壁を洗浄する
  • 修復を行う
  • 下塗りを行う
  • 仕上げ塗り(2回)を行う
  • 足場を解体する

断熱塗料は、重ね塗りをして剥がれにくくするのが一般的です。
見積りや工程表を見て、重ね塗りをする予定があるか確認しましょう。
業者によっては、仕上げ塗り2回のところを1回しか行わないケースもあります。

ちなみに、外壁の断熱塗装はDIYできそうに感じるかもしれませんが、おすすめしません。
十分な効果が得られない可能性があるため、専門業者に依頼する方が確実です。

外壁の断熱リフォームをする際の3つの注意点

外壁の断熱リフォームを行う際の注意点を3つ紹介します。

  • 断熱材の種類によっては防火性が低くなる
  • 工法によっては壁が厚くなる
  • 断熱材の厚みによって効果が変わる

性能の良い断熱材を使えば成功するとは限りません。
注意点を理解したうえで、工法・断熱材を選ぶ必要があります。
それぞれについて解説するので、ぜひリフォームする際の参考にしてください。

注意点①断熱材の種類によっては防火性が低くなる

断熱材によっては耐火性が低くなるため、注意しましょう。
外壁に使用する断熱材は、火災の延焼を防ぐため耐火性が重要です。

例えば、天然素材は防音性・吸湿性が高い一方で、耐火性は低いです。
外壁の断熱リフォームを行う際は、延焼対策についても業者に相談してください。

注意点②工法によっては壁が厚くなる

外断熱工法の場合、建物が全体的に大きくなるため敷地に余裕がないと施工するのが難しいです。
加えて、作業するためのスペースも必要です。

充填断熱工法の場合、断熱材を厚く敷き詰めると壁も厚くなり、その分室内が狭くなります。
生活するうえで支障がないか、検討しましょう。

注意点③断熱材の厚みによって効果が変わる

断熱材は厚さが重要で、厚みがあるほど断熱性は高まるといわれています。

同時に、断熱材を厚くするほど価格は高くなる傾向にあります。
断熱性と予算の折り合いをどうつけるかは、業者と相談しながら決めるとよいでしょう。

外壁の断熱リフォームを依頼する業者の選び方

外壁の断熱リフォームを依頼する業者の選び方で重要な3つのポイントを紹介します。

  • 希望するリフォームの実績がある
  • 見積りの内容が具体的に記載されている
  • 過度な割引をしていない

外壁の断熱リフォームの成功を左右するため、
業者選びはポイントを押さえて慎重に行いましょう。

希望するリフォームの実績がある

外壁の断熱リフォームは、適切な施工ができなければ効果が十分に発揮されません。
実績が豊富であるほど経験があるため、高い技術が期待できます。
また、施工経験を元に的確なプランもアドバイスしてもらえるでしょう。

ホームページなどに施工実績を掲載している業者もあるので、
希望する外壁の断熱リフォームの実例があるか確認してください。

見積りの内容が具体的に記載されている

信頼できる見積書は、使用する建材の商品名・メーカー名などが詳しく記載されています。
項目も細かく分かれており、「一式」といった曖昧な表現も少ないでしょう。
商品名の記載がない、詳細がわからない見積書は、事前に問い合わせておくと安心です。

また、業者によっては「諸経費」に含まれる内容が異なる場合があります。
何が含まれていて、何が含まれていないのかは確認が必要です。

なお、現地調査をしっかり行っていなければ、正確な見積りは作成できません。
現地調査の様子・内容にも気を配りましょう。

過度な割引をしていない

過度な割引をしたり、不透明な見積りを出したりする業者は、悪質な業者の可能性があります。

できるだけリフォーム費用を抑えたいと考えると、安い見積りを提示されると魅力的に見えるでしょう。
しかし、見積書に記載されていない作業料をあとから請求される場合もあるため注意が必要です。

また、突然訪問してきたり、不安をあおるような説明をしたりする業者は断った方が無難です。

まとめ

外壁の断熱リフォームを行うと、外気温の影響を受けにくく一年中快適に住めます。
加えて、家族の健康を守る効果も期待できます。

リフォームの成功には、業者選びが重要です。
施工実績のほか、口コミも参考にするとよいでしょう。

住宅の条件によって最適な工法・断熱材は異なるため、
より具体的な計画を立てたい場合は、
「生活協同組合かながわ住宅コープ」にご相談ください。相談料は無料です。

また、外壁の断熱塗装やリフォーム、
シロアリ予防など住宅に関することは幅広く対応しています。
少しでもお困りごとがあれば、ぜひお問い合わせください。