
外壁塗装には多くの「種類」があり、塗料ごとに耐久性や価格、仕上がりの美しさが大きく変わります。さらに近年は、ラジカル制御型や無機塗料など高性能な塗料も増え、選択肢はますます広がっています。
本記事では、外壁塗装に使われる塗料の特徴や比較ポイントをわかりやすく整理し、住まいに最適な塗料を選ぶための基礎知識をまとめました。初めての方でも理解しやすく、安心して読み進められる内容になっています。
- 目次
- はじめに|外壁塗装の塗料の種類を正しく理解するために
- 塗料を適切な指標で比較検討しよう~9つの指標~
- その1.耐候性
- その2.低汚染性
- その3.防カビ・防藻性
- その4.透湿性
- その5.遮熱性
- その6.断熱性
- その7.防錆性
- その8.伸縮性
- その9.耐火性
- 外壁塗装に使われる塗料の基礎知識
- 水性塗料と油性塗料の違い
- 1液型と2液型の特徴
- 艶あり・艶なし(光沢)の選び方
- 色選びはどうする?外壁色と塗料性能の関係
- 外壁塗装の塗料9種をそれぞれ解説
- ①アクリル塗料
- ②ピュアアクリル塗料
- ③ウレタン塗料
- ④シリコン塗料
- ⑤ラジカル塗料
- ⑥フッ素塗料
- ⑦無機塗料
- ⑧光触媒塗料
- ⑨ナノテクノロジー塗料
- 外壁塗装の種類を選ぶときの判断基準
- 耐候性・耐久性をどう見るか
- 価格帯とコストパフォーマンス
- 外壁材との相性
- メンテナンス頻度とライフサイクルコスト
- かながわ住宅コープは塗装の種類に関するご相談にも応じます
- まとめ|外壁塗装の種類を理解して最適な選択を
はじめに|外壁塗装の塗料の種類を正しく理解するために

外壁塗装に使われる塗料は年々多様化し、性能や価格、仕上がりの質感まで大きく異なります。耐候性や低汚染性といった基本性能に加え、ラジカル制御型や無機塗料など高耐久の選択肢も増え、住まいに最適な塗料を選ぶには正しい知識が欠かせません。
本記事では、外壁塗装の「種類」を軸に、塗料の特徴や比較ポイントをわかりやすく整理し、後悔しない塗料選びのための基礎をお伝えします。
塗料を適切な指標で比較検討しよう~9つの指標~
外壁に使われる塗料はすべて防水性を備えていますが、住まいをより長く守るためには、防水性以外の性能にも目を向けることが大切です。
塗料には、透湿性・防カビ性・低汚染性・耐候性など、耐久性を左右する多様な特性があり、これらを理解することで最適な塗料を選びやすくなります。
ここでは、塗料選びの比較指標として役立つ9つの性能をわかりやすく解説します。
その1.耐候性
耐候性とは、雨風や紫外線といった外壁の劣化要因にどれだけ長く耐えられるかを示す性能のことです。外壁は日々の気候変化にさらされるため、色褪せやひび割れ、チョーキング(触れると白い粉が付く現象)などの劣化が避けられません。
しかし、耐候性の高い塗料を選ぶことで、これらの劣化が進むスピードを大幅に抑え、外壁の美観を長期間維持しやすくなります。
建築用の塗料の世界では、耐候性は「塗料の耐久性を測る代表的な指標」とされており、塗料選び選びにおいて最も重視される要素のひとつです。
その2.低汚染性
低汚染性とは、外壁に汚れが付着しにくく、付いても落ちやすい性能のことを指します。近年の塗料は、特殊なコーティング技術によって、塗膜表面の密度をより高め、汚れが入り込みにくい構造になっています。
この高密度の塗膜により、排気ガスやホコリといった付着しやすい汚れが浮きやすく、雨水で自然に洗い流されるセルフクリーニング効果が期待できます。
その結果、外壁の美観を長期間維持できるだけでなく、汚れによる塗膜劣化を抑えることで建物全体の寿命を延ばす効果も見込めます。低汚染性は、外観をきれいに保ちたい住宅にとって重要な性能のひとつです。
その3.防カビ・防藻性
防カビ・防藻性とは、外壁にカビや藻、コケなどが発生するのを抑える性能のことです。これらの微生物が繁殖すると見た目が悪くなるだけでなく、湿気が外壁にとどまりやすくなり、外壁の劣化を早めてしまう原因にもなります。そのため、カビや藻の発生はできるだけ避けたい劣化症状ののひとつです。
防カビ・防藻性を持つ塗料は、事前に薬剤処理や高圧洗浄で既存のカビ・藻をしっかり除去し、清潔な状態に整えた外壁へ塗布することで本来の効果を発揮します。
その4.透湿性
透湿性とは、外壁内部にこもりやすい湿気を外に逃す働きのことです。塗料は、雨水のような液体は通さず、分子の小さい湿気だけを通す構造になっており、この仕組みによって外壁内部の湿度を適切に調整できます。
透湿性の高い塗料を選ぶことで、湿気が原因となる塗膜の剥がれや膨れを防ぎ、外壁の寿命を縮めるトラブルを抑えられる点が大きなメリットです。
特にモルタル外壁や直貼りサイディングのように湿気がこもりやすい構造の外壁材では、透湿性塗料を使用することで劣化リスクを大幅に軽減できるため、積極的な採用が推奨されています。
その5.遮熱性
遮熱性とは、外壁に当たる近赤外線を効率よく反射し、熱の吸収を抑える性能のことです。遮熱性のある塗料を外壁に使用すると太陽光による熱の蓄積が軽減され、室内温度の上昇を抑えられるため、夏場の暑さ対策として非常に有効です。
その結果、エアコンの使用量が減り、省エネ効果や電気代の節約につながる点も大きなメリットといえます。
また、近年、地域差はあるものの、日本全体で平均気温が上昇しており、外壁が長時間高温にさらされることで、塗料の分子が破壊されやすく劣化が進むリスクも高まっています。
遮熱性塗料は、室内温度の上昇を抑えるだけでなく、熱による塗膜劣化を軽減し、外壁の寿命を延ばす効果も期待できます。
その6.断熱性
断熱性とは、外壁を通じた熱の伝わりを抑え、室内外の温度差をゆるやかにする性能のことです。断熱性のある塗料を使用すると、夏は外気の熱が室内へ入りにくく、冬は室内の暖かさが逃げにくくなるため、一年を通して快適な室温を保ちやすくなります。
前述の遮熱性が、主に暑さ対策に特化しているのに対し、断熱性は暑さと寒さの両方に効果を発揮する点が大きな違いです。
また、遮熱性と断熱性は効果などの違いから性能の仕組みが異なるため、耐用年数や費用にも差があり、一般的には断熱性を備えた塗料のほうが価格が高くなる傾向があります。
その7.防錆性
防錆性とは、外壁に使われる金属部分がサビによって劣化するのを防ぐための重要な性能です。サビは、金属に雨水や湿気が付着し、酸素と反応することで発生します。
そのままにしておくと金属部分の劣化が進むだけでなく、サビの範囲が広がる可能性もする腐食現象で、そのまま放置すると金属の強度が低下するだけでなく、サビが広がって外壁全体へ悪影響を及ぼす可能性もあります。
そのため、金属部を長く安全に保つには、防錆性を備えた塗料で表面をコーティングし、腐食の進行を抑えることが欠かせません。
特に、雨風に常にさらされる住宅の外壁では、金属部分の保護が建物全体の耐久性にも直結するため、防錆性の高い塗料を選ぶことが大切です。
その8.伸縮性
伸縮性とは、外壁が膨張や収縮によって動いた際にも塗膜が追従し、ひび割れを起こしにくくする性能のことで、「弾性」とも呼ばれます。地震や台風などの自然災害によって下地に繊細なひびが入った場合でも、伸縮性の高い塗料であれば塗膜が柔軟に伸び縮みし、ひび割れの拡大や水の侵入を防ぐことができます。
この性能により、外壁の美観を保つだけでなく、雨水による劣化リスクを抑え、建物全体の安全性向上にもつながる点が大きなメリットです。
特に、モルタル外壁やALCパネルのようにひび割れが発生しやすい外壁材では、伸縮性の高い塗料を選ぶことで耐久性を大きく高められるため、積極的な採用が推奨されています。
その9.耐火性
耐火性とは、火災が発生した際に外壁が炎の熱や燃焼にどれだけ耐えられるかを示す性能のことです。耐火性の高い塗料を使用することで、火のまわりを遅らせ、延焼を抑える効果が期待できるため、建物内部への被害を最小限にとどめる助けになります。
ただし、一般的な戸建て住宅では使用頻度が高いわけではなく、工場・倉庫・高層ビル・病院など、より高い安全性が求められる建物で採用されるケースが多い性能です。火災リスクを抑えたい施設では、耐火性を備えた塗料を選ぶことで建物全体の安全性を高められるため、重要な選択肢のひとつとなっています。
外壁塗装に使われる塗料の基礎知識

外壁塗装に使われる塗料は、成分や仕上がり、扱い方によってさまざまな種類に分かれます。塗料の性質を理解しておくことで、耐久性や見た目、メンテナンス性など、住まいに合った最適な選択がしやすくなります。
この章では、塗料の基本となる「水性と油性の違い」や「1液型・2液型の特徴」、さらに仕上がりを左右する「艶(光沢)」や「色選びの考え方」について、順を追ってわかりやすく解説します。
水性塗料と油性塗料の違い
水性塗料と油性塗料は、希釈剤(薄める成分)の違いによって性質や扱いやすさが大きく変わります。
水性塗料は水で希釈するため臭いが少なく、環境や人体への負担が小さいのが特徴です。一方、油性塗料はシンナーを使用するため耐久性が高く、密着力にも優れていますが、臭いが強く扱いには注意が必要です。
外壁の素材や求める性能によって最適な塗料は異なるため、両者の特徴を理解して選ぶことが大切です。
| 比較項目 | 水性塗料 | 油性塗料 |
|---|---|---|
| 希釈剤 | 水 | シンナー |
| 臭い | 少ない | 強い |
| 耐久性 | やや低め | 高い |
| 密着力 | 標準 | 高い |
| 乾燥時間 | やや遅い | 速い |
| 価格 | 比較的安い | やや高い |
| 環境・安全性 | 高い | 揮発成分が多く注意が必要 |
| 用途 | 住宅外壁全般 | 金属部・高耐久が必要な箇所 |
1液型と2液型の特徴
1液型と2液型の塗料は、硬化(固まる)仕組みの違いによって性能や扱いやすさが変わります。
1液型はその名の通り「1つの缶で完結」しており、開封後すぐに使える手軽さが魅力です。一般住宅の外壁塗装でも広く使われ、作業効率が高い点がメリットです。
一方、2液型は「主剤+硬化剤」を混ぜて使用するタイプで、密着力・耐久性が高く、より高性能な仕上がりが期待できます。ただし、混合の手間や作業時間の制約があるため、職人の技術が求められます。
外壁の状態や求める耐久性に応じて、どちらが適しているかを判断することが大切です。
| 比較項目 | 1液型 | 2液型 |
|---|---|---|
| 使い方 | 缶を開けてそのまま使用 | 主剤と硬化剤を混合して使用 |
| 作業性 | 高い(扱いやすい) | やや低い(混合作業が必要) |
| 耐久性 | 標準 | 高い |
| 密着力 | 標準 | 非常に高い |
| 価格 | 比較的安い | やや高い |
| 仕上がり | 一般住宅向け | 高性能・業務用向けにも適応 |
艶あり・艶なし(光沢)の選び方
艶あり・艶なし(光沢)の違いは、外壁の見た目の印象だけでなく、汚れの付きやすさやメンテナンス性にも影響する重要なポイントです。
艶ありは光を反射して明るく見えるため、新築のような仕上がりを好む方に向いています。また、汚れが付きにくく落ちやすいというメリットもあります。
一方、艶なしは落ち着いたマットな質感が特徴で、高級感や自然な風合いを重視したい場合に最適です。ただし、艶ありに比べると汚れが目立ちやすい傾向があります。
外壁のデザインや周囲の景観、メンテナンス性を踏まえて選ぶことが大切です。
| 比較項目 | 艶あり | 艶なし(マット) |
|---|---|---|
| 見た目 | 光沢があり明るい | 落ち着いた質感で高級感 |
| 汚れの付きにくさ | 付きにくい | やや付きやすい |
| 耐久性 | 高い傾向 | やや低め |
| メンテナンス性 | 良い | 普通 |
| 印象 | 新築のような仕上がり | 自然で控えめな印象 |
| 向いている住宅 | モダン・明るい外観 | 和風・ナチュラル系 |
色選びはどうする?外壁色と塗料性能の関係
外壁の色選びは見た目の印象だけでなく、塗料の性能や劣化スピードにも影響する重要なポイントです。
たとえば濃い色は紫外線を吸収しやすく、熱による劣化が進みやすい傾向があります。一方、白や淡い色は光を反射しやすく、遮熱性が高まり汚れも目立ちにくいというメリットがあります。
また、グレーやベージュなどの中間色は、汚れの目立ちにくさと耐候性のバランスが良いため、住宅外壁で人気です。
色によって性能面の特徴が異なるため、デザイン性と機能性の両面から選ぶことが大切です。
| 主な外壁色 | 性能の特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 白・アイボリー | 光を反射しやすい | 遮熱性が高い/清潔感 | 汚れがやや目立つ |
| ベージュ・薄グレー | 紫外線の影響が少ない | 汚れが目立ちにくい/劣化しにくい | 個性は控えめ |
| 濃グレー・ブラウン | 熱を吸収しやすい | 高級感/引き締まった印象 | 色褪せがやや早い |
| 黒 | 熱吸収が非常に高い | モダンで重厚感 | 色褪せ・チョーキングが起こりやすい |
| 青・緑などのカラー系 | 中間的 | 個性的な外観 | 色褪せしやすい種類もある |
「外壁塗装におすすめの色とは?それぞれの特徴・色を選ぶ際の注意点を解説」のコラムも、ぜひ参考になさってください。
外壁塗装の塗料9種をそれぞれ解説

塗料には、一般的な戸建て住宅で使われるものから、ビルやマンションといった大型建築物に用いられる高機能タイプまで多様な種類が存在します。
この章では、代表的な9種類を取り上げ、それぞれの特徴や適した用途をわかりやすく解説します。ご自宅の環境や求める性能に合わせて、最適な塗料選びにお役立てください。
①アクリル塗料
アクリル塗料はアクリル樹脂を主成分とした扱いやすいタイプの塗料です。重ね塗りがしやすく、鮮やかな発色を得やすい点が大きな特徴といえます。耐用年数は比較的短いものの、材料費が安くコストが抑えられるため、予算重視のケースで選ばれることもあります。
ただし、紫外線や雨風に対する耐久性が低く、外壁塗装での採用は少ないのが実情です。
そのため、「費用を抑えたいので短い周期で塗り替えても構わない」「色の鮮やかさを重視したい」「気分に合わせて外壁色を頻繁に変えたい」といったニーズに向いている塗料です。
②ピュアアクリル塗料
ピュアアクリル塗料は、従来のアクリル塗料から可塑剤や添加物といった不純物を極力排除し、純度を高めた高品質なアクリル塗料です。
一般的なアクリル塗料が抱えていた「紫外線に弱い」という弱点を大幅に改善し、耐久性・防水性を向上させた点が大きな特徴です。
さらに、伸縮性(弾性)が高く外壁の動きに追従しやすいため、ひび割れが起こりにくくモルタル外壁との相性が良いこともメリットとして挙げられます。
費用は通常のアクリル塗料より約2倍ほど高くなる傾向がありますが、耐用年数も15年以上と長く、結果的にコストパフォーマンスに優れる塗料といえるでしょう。
③ウレタン塗料
ウレタン塗料は、ポリウレタン(ウレタン系樹脂)を主成分とした柔軟性と密着力に優れた塗料です。木部・金属・細かな部材など、幅広い素材に対応できる汎用性の高さが特徴で、仕上がりにはほどよい光沢が出るため見た目にもツヤが生まれます。
費用は比較的リーズナブルで導入しやすい一方、耐久性・耐候性は高くなく、長期間の使用には向きにくいという弱点があります。
そのため、「予算を抑えたい」「光沢のある仕上がりを求めたい」といったニーズには適していますが、近年はシリコン塗料の普及により外壁用として選ばれる機会は減少傾向にあります。
④シリコン塗料
シリコン塗料は、シリコンやアクリル樹脂を主成分とした耐久性と扱いやすさのバランスに優れた塗料です。防汚性・撥水性が高く、汚れが付きにくい外壁を保ちやすい点が大きな特徴となっています。また、耐用年数と費用のバランスが良いため、外壁塗装では長年「定番」として選ばれ続けている種類でもあります。
さらに、日本ペイント・エスケー化研・関西ペイントなど、主要メーカーから多彩なラインナップが展開されており、住宅の条件に合わせて選びやすいことも魅力です。
そのため、「豊富な種類から自分に合う塗料を選びたい」「実績のある安心できる塗料を使いたい」といったニーズに特に向いています。
⑤ラジカル塗料
ラジカル塗料は、ラジカル制御型チタン(高耐候酸化チタン)と光安定剤(HALS)を組み合わせてつくられた劣化を抑えるための機能性塗料です。2010年代に登場した比較的新しい種類で、「ラジカル制御形塗料」とも呼ばれることもあります。
外壁の劣化原因となるラジカル(劣化因子)の発生を抑えることで、チョーキングが起こりにくく、汚れが付きにくいという特徴を持っています。
さらに、これらの性能を備えながらも価格が比較的手頃で導入しやすい点も大きな魅力です。耐候性とコストのバランスを重視したい住宅に向いている塗料といえます。
⑥フッ素塗料
フッ素塗料は、蛍石ををもとにしたフッ素樹脂を主成分としてつくられる高耐久タイプの塗料です。最大の特徴は非常に優れた耐候性で、外壁が一年中浴び続ける紫外線による劣化を大幅に遅らせられるため、結果として耐用年数が長くなる点が挙げられます。
初期費用はほかの塗料より高めではあるものの、長寿命ゆえに塗り替え回数を減らせるため、長期的にはコストを抑えやすいというメリットがあります。
また、戸建て住宅でも使われますが、ビル・マンション・橋梁など、メンテナンス頻度を下げたい大規模建築物で採用されるケースが特に多い塗料です。
⑦無機塗料
無機塗料は、炭素を含まない無機物質を主体としてつくられる高耐久タイプの塗料です。アクリル塗料やシリコン塗料といった有機塗料に多く含まれる樹脂成分がほとんど入っていないため、劣化の進行が非常にゆるやかなのが特徴です。
その結果、コケ・カビ・藻が発生しにくく、外壁の美観を長期間維持しやすいというメリットがあります。
一方で、塗膜が硬くひび割れが起こりやすいという弱点はあるものの、耐用年数が長く耐火性にも優れているため、火災時の延焼リスクを抑えられる点は大きな強みです。
「外壁の汚れや微生物の発生をしっかり防ぎたい」「費用が高くてもメンテナンス回数を減らしたい」といったニーズに適した塗料といえます。
⑧光触媒塗料
光触媒塗料は、酸化チタンを主成分とした太陽光を利用して汚れを分解する機能性塗料です。日光が当たることで外壁表面の汚れを自動的に分解・洗浄するセルフクリーニング性能が非常に高い点が大きな特徴となっています。
さらに、カビ・コケ・藻の発生を抑える効果や、空気を浄化する働きまで期待できるなど、多くのメリットを備えています。
一方で、価格が高めであることや、日当たりの悪い場所では十分なセルフクリーニング効果が得られにくいといった弱点もあります。
そのため、「日差しのよく当たる住宅に使いたい」「外壁の美しさを長期間キープしたい」といったニーズに適した塗料です。
⑨ナノテクノロジー塗料
ナノテクノロジー塗料は、その名の通りナノレベルの技術を応用して開発された先進的な塗料です。石油系樹脂の使用量を大幅に抑えられるため、環境負荷の少ないエコ塗料として位置づけられている点が特徴です。
汚れが付着しにくい低汚染性や、色褪せしにくい高い耐候性を備えているほか、一般的な水性塗料と比べて乾燥が早く、刺激臭が少ないため周囲へのにおいの影響を軽減できるというメリットもあります。
一方で、最先端技術を用いた特殊な塗料であることから、取り扱うメーカーが限られているという注意点もあります。高機能で環境に優しい塗料を求める場合に適した選択肢です。
外壁塗装の種類を選ぶときの判断基準
外壁塗装を選ぶ際は、耐候性・価格・外壁材との相性・メンテナンス性といった複数の視点を総合的に見極めることが大切です。
塗料ごとに特徴が大きく異なるため、専門家に疑問や不安を積極的に相談し、住まいに最適な選択肢を一緒に検討する姿勢が安心につながります。
このあと紹介する各項目を踏まえながら、長く快適に暮らせる外壁塗装を選んでいきましょう。
耐候性・耐久性をどう見るか
外壁塗装を選ぶ際に最も重視したいのが、どれだけ長く外壁を守れるかという耐候性・耐久性です。紫外線・雨風・気温差といった外的要因は、塗膜の劣化を早める大きな原因になります。
塗料ごとに耐久年数や劣化しにくい仕組みが異なるため、住まいの立地や外壁材に合わせて慎重に見極めることが大切です。
また、メーカーの性能試験データだけでなく、施工実績や専門家の意見も参考にすると、より安心して選べます。
耐候性・耐久性を判断するチェックポイントは以下となります。
- 期待耐用年数は何年か(10年・15年・20年以上など)
- 紫外線に強い成分が使われているか(フッ素・無機・ラジカル制御など)
- 外壁材との相性は良いか(サイディング・モルタルなど)
- 立地条件に合っているか(海沿い・日当たり・風の強さ)
- 施工店の実績や保証内容は十分か
耐候性を正しく見極めることで、長く安心できる外壁づくりにつながります。
価格帯とコストパフォーマンス
外壁塗装を選ぶ際は、初期費用だけで判断しないことがとても重要です。塗料には価格差がありますが、耐久年数やメンテナンス頻度を踏まえると、長期的なコストが大きく変わるためです。
たとえば、安価な塗料は数年ごとに塗り替えが必要になる一方、高耐候塗料は初期費用が高くてもトータルでは割安になるケースもあります。
また、住まいの立地や外壁材との相性によっても、最適な価格帯は変わります。専門家に「どの塗料が長くもつのか」「将来のメンテナンス費はどれくらいか」を相談しながら比較することが、納得のいく選択につながります。
価格・コストパフォーマンスのチェックポイントは以下となります。
- 初期費用と耐用年数のバランスは適切か
- 長期的なメンテナンス費を含めて比較しているか
- 外壁材との相性で追加費用が発生しないか
- 保証内容や施工品質が価格に見合っているか
- 専門家の見積もりを複数比較しているか
価格だけでなく、長く住む家にとって本当に得かどうかを基準に選ぶことが大切です。
外壁材との相性
外壁塗装を選ぶ際は、外壁材との相性を見極めることがとても重要です。どれほど高性能な塗料でも、素材に合っていなければ密着不良や早期劣化につながることがあります。
サイディング・モルタル・ALCなど、外壁材ごとに求められる塗膜の柔軟性や防水性が異なるため、素材の特徴を理解したうえで塗料を選ぶことが安心につながります。
また、専門家に「この外壁材にはどの塗料が最適か」を相談し、下地の状態や劣化具合も含めて判断してもらうことで、より長持ちする外壁に仕上げられます。
主な外壁材と相性の良い塗料は以下となります。
| 外壁材 | 相性の良い塗料 | 理由・ポイント |
|---|---|---|
| 窯業系サイディング | ・ラジカル制御型 ・シリコン ・フッ素 |
伸縮に対応しやすく、紫外線に強い塗膜が必要 |
| モルタル壁 | ・弾性塗料 ・シリコン ・フッ素 |
ひび割れ対策として弾性が重要。耐候性も求められる |
| ALCパネル | ・シリコン ・フッ素 ・無機 |
吸水しやすいため、防水性と耐候性の高い塗料が適する |
| 金属サイディング | ・シリコン ・フッ素 |
サビ対策として密着性と耐候性が重要 |
| 天然木、木質系素材 | ・専用木部保護塗料 | 呼吸性を保ちつつ防腐・防カビ性能が必要 |
メンテナンス頻度とライフサイクルコスト
外壁塗装を選ぶ際は、「初期費用」だけでなく「何年もつか」「将来いくらかかるか」というライフサイクルコストの視点が欠かせません。耐久年数が長い塗料ほど塗り替え回数が減り、結果的に総額が抑えられるケースも多くあります。
ライフサイクルコストは、
総費用 = 初期費用 +(メンテナンス費 × 塗り替え回数)という考え方で比較すると分かりやすく、住まいの長期的な計画に役立ちます。
また、立地条件や外壁材によって劣化スピードは変わるため、専門家に「この家なら何年もつか」を確認しながら選ぶことが安心につながります。
塗料別に耐久年数などを比較し、30年間の塗り替え費用(概算)のシミュレーションをしてみました。
| 塗料の種類 | 耐久年数の目安 | 30年間の塗り替え回数目安 | 30年間の総費用イメージ(概算) |
|---|---|---|---|
| アクリル | 約5〜7年 | 約5回 | 約300~400万円 |
| ピュアアクリル | 約15〜20年 | 約2回 | 約200~240万円 |
| ウレタン | 約8〜10年 | 約4回 | 約275~360万円 |
| シリコン | 約12〜13年 | 約3回 | 約160~220万円 |
| ラジカル制御型 | 約13〜15年 | 約2回 | 約170~220万円 |
| フッ素 | 約15〜20年 | 約2回 | 約220~280万円 |
| 無機 | 約20〜25年 | 約1回 | 約120~160万円 |
| 光触媒 | 約15〜20年 | 約2回 | 約230~300万円 |
| ナノテクノロジー | 約12〜15年 | 約2回 | 約185~255万円 |
※この表はあくまで比較のためのイメージです。実際の耐久年数や費用は、お住まいの状態や施工内容によって異なりますので、詳細は専門家へご相談ください。
※総費用は以下のシミュレーションを使用して延床面積30坪のケースで算出
【外壁塗装費用シミュレーション】数字を記入するだけで自動計算!
かながわ住宅コープは塗装の種類に関するご相談にも応じます
かながわ住宅コープは、神奈川唯一の住宅専門生協として、外壁塗装に関する疑問や不安に丁寧に寄り添っています。
生協の理念に基づき、研修を修了した担当者が塗料の種類や特徴をわかりやすく説明し、組合員の立場で最適な選択をサポートします。
見積内容のチェックや工事後の確認まで一貫して行うため、初めての方でも安心してご相談いただけます。
まとめ|外壁塗装の種類を理解して最適な選択を
外壁塗装は、住まいを長く守るための大切なメンテナンスです。塗料にはアクリルから無機、光触媒まで多くの種類があり、それぞれ耐久性・価格・メンテナンス性・外壁材との相性が異なります。
だからこそ、特徴を理解し、自分の家に合った塗料を選ぶことが、長期的な安心とコスト削減につながります。
また、立地条件や外壁の状態によって最適な選択は変わるため、専門家に疑問や不安を相談しながら比較する姿勢が重要です。
本記事で紹介した「耐候性」「価格」「相性」「ライフサイクルコスト」の視点を踏まえ、納得できる外壁塗装を選んでいきましょう。





















