防水工事の種類と特徴についてご紹介

神奈川県で唯一の住宅専門生協のかながわ住宅コープでは、住宅リフォームを始め
シロアリ予防・外壁、屋根塗装・防水工事等を承っております。
17年以上の信頼と実績で、皆様に安心の住宅工事をお届けしています。

本日のブログでは、防水工事の種類や特徴について詳しくご紹介できればと思います。
防水工事をご検討の方の参考になれば幸いです。

防水工事とは?

まず防水工事とは一般的に、陸屋根(水平な屋根)、
ベランダ、バルコニーなどの防水工事をさします。

陸屋根の、屋根部分を屋上として利用している場合もあります。
これらの場所はほぼ平らで、雨水が流れにくくたまりやすい場所なので、
防水工事は必須になります。

主にコンクリートで造られている場所ですが、表面の防水層が劣化すると、
雨水は浸透していき、コンクリート内部にある鉄筋が錆びてもろくなっていきます。

住宅はどの箇所も防水対策がとられていますが、雨水のたまりやすい場所は、
特に、確実な防水とこまめなメンテナンスが必要になっています。

陸屋根(屋上)の防水工法には「シート防水」と「塗膜防水」があります。

シート防水
「シート防水」は防水性のあるシートを、下地の上に張ることで防水します。
ある程度の広さがあり、凹凸がなく、設置物のない屋根に多く施工されています。
合成ゴム系シートと塩化ビニール樹脂系シートなどがありますが、戸建ての陸屋根では、
現在、塩化ビニール系のシートが主に使われています。
塗膜防水
「塗膜防水」は液体状の防水材を、下地に塗ることで防水します。
凹凸があったり、設置物のある屋根の場合、また、複雑な形状の屋根の場合は、
液体状で、容易に対応できる塗膜防水が多く施工されています。さらに塗膜防水には、ウレタン塗膜防水とFRP系塗膜防水などがあります。
ウレタン塗膜防水は、場所を選らばずに使うことができますが、FRP系塗膜防水は広さのある場所には適さず、主にベランダで使われています。

シート防水と塗膜防水には、それぞれ、「密着工法」と「絶縁工法」があります。

密着工法
「密着工法」は下地に防水層を完全に密着させる工法です。
シート防水の場合はシートを、塗膜防水の場合は防水塗料を、下地に直接つけていきます。密着工法は、下地が、まだあまり傷んでいない屋根である場合に、施工できる工法です。
傷んで水分が染み込んだ屋根には、密着工法は適していません。
新しい防水層が傷んだ下地の影響を受けて、膨れ・ひび割れ・剥がれが起きてしまうからです。
絶縁工法
「絶縁工法」は下地に防水層を密着させず、間に通気層を挟む工法です。
シート防水の場合は、下地に絶縁シートを敷設し、その上に防水シートを貼ります。
塗膜防水の場合は、下地に通気シートを敷設し、その上に防水塗料を塗ります。
絶縁工法はすでに雨漏りを起こしていたり、水分が染み込んでいる屋根に、必要な工法です。絶縁工法は、新しい防水層が、傷んだ下地と接していないため、
下地に染み込んだ水分の影響を受けることがありません。
気温が高い時などに、下地から発する蒸気は、通気層の中を移動し、
外部に出て行きます。水分や湿気を逃がしてくれる工法です。

歩行可能な防水層と歩行が不向きな防水層があります

「シート防水」は、おおむね、歩行には向いていません。
メンテナンス程度の歩行のみとされています。
歩行仕様として何らかの処理がなされた場合は、歩行が可能になるものもあります。

「塗膜防水」のうち「ウレタン塗膜防水」は、柔らかい靴底であれば歩行可能とされています。

「FRP系塗膜防水」は、唯一、歩行用として認められている工法です。
不特定多数の人や台車などの走行も可能とされています。

シート防水も塗膜防水も「絶縁工法」で施工した場合、歩行には不向きとなります。
陸屋根(屋上)の防水工事には、いくつか選択肢があるので、自宅の屋根の形状や、
劣化状態、歩行する頻度を把握して、最適な方法を選んでいくことになります。

塩化ビニール系シート防水とは

塩化ビニール系シート防水とは、塩化ビニール樹脂に、可塑剤・安定剤充填材・着色剤を混合し、
シート状にした防水材で防水層を作る工法です。

紫外線や熱に強いため、耐久性が高く、防水層を保護するトップコートなしでも使うことができます。
歩行機会のほとんどない屋上では、厚さ1、5ミリの通常シート、歩行用には厚さ2ミリのシートが使われます。

シートとシートの繋ぎ目部分や端末は、溶かして一体化させる「溶着」により張り合わされていて、
継ぎ目部分が剥がれるリスクが低減されています。

密着工法、絶縁工法にあたる工法は、それぞれ「接着工法」「機械固定工法」とも言います。
塗膜防水と比べ防水層がシート状に出来上がっているので、厚さが均一であること、工事日数が短くてすむこと、
工事中でも最低限の歩行ができることなどのメリットがあります。

ベランダとバルコニーの防水

ベランダとバルコニーの違いは、屋根の有無で分けられ、屋根があればベランダ、
屋根が無ければバルコニーになります。

防水方法は「シート防水」と「塗膜防水」がありますが、ベランダやバルコニーは、
あまり広さがないことと、歩行の頻度が高いことから、
「塗膜防水」が多く使われています。

防水層の表面は、紫外線などから防水層を守るため、
トップコートと呼ばれる塗料で塗装されています。
ウレタン塗膜防水とFRP系塗膜防水が、よく使われています。

ウレタン塗膜防水とは?

液体状のウレタン樹脂を複数回塗ることで、厚さ2~3ミリほどの防水層を作る防水工法です。
表面にはトップコートが施されています。

ウレタン塗膜は弾力性があり、建物の動きにしっかり追従できます。
広面積への施工も可能なので、屋上にも使われますが、べランダ・バルコニーでも使われています。
特に、改修工事などのメンテナンスの時には、最も多く使われている工法です。

FRP防水に比べて、安価なこと、施工が比較的容易なこと、表面が滑らかで美しいこと、
別の素材の防水材の上に重ね塗りできることなどのメリットがあります。

摩耗性、耐久性はFRP防水に劣ります。
表面が滑りやすいため、粗面仕上げで歩行をしやすくします。

FRP系塗膜防水とは?

FRPとは繊維強化プラスチックのことです。
液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加え、ガラス繊維などの補強剤を組み合わせた塗膜防水工法です。
表面にはトップコートが施されています。

FRP塗膜は、伸縮性はあまりなく、建物の動きに追従することができません。
面積の広い場所に塗ると、ひび割れしやすくなるため、ベランダやバルコニーといった面積の狭い場所で使われています。

ウレタン防水に比べ少し高額になりますが、軽量であること、唯一歩行用として認められている強固な防水層であること、
施工時の塗膜の乾燥時間が早いことなどのメリットがあります。
表面は滑りやすいため、ノンスリップ仕様のトップコートで、歩行しやすくします。

防水層の劣化症状

保護塗装であるトップコートの劣化は、トップコートの塗り替えで対応します。
5年に1度ぐらいが塗り替えの目安とされています。

ふくれ、はがれ
ウレタン、FRPはともに紫外線に弱いため、トップコートが劣化してしまうと、
防水層の防水機能の劣化が進んでしまいます。
防水層に染み込んでしまった水分が、気化する時周りのものを押し上げることで、ふくれ・はがれが発生します。また、密着工法の施工時、下地を乾燥させるのが不十分であった場合、ふくれ・はがれが発生します。
ひび割れ
防水層が劣化し、強度が低下すると、下地の動きに防水層が追従できず、亀裂が入ってしまいます。
塗膜防水の場合、施工時の塗膜の厚みが薄いと、やはり亀裂が入ってしまいます。また塩ビ系シートは、経年により次第に混合されていた可塑剤が気化して、
弾力性がなくなり固くなりひび割れが起こりやすくなります。
破れる

尖ったもの、重いものなどで破れることがあります。

植物や藻の繁殖

防水層が劣化すると水分がある状態になり、藻が発生します。
また植物の繁殖は、種が根づく隙間があることを示し水分を得て繁殖します。
植物の根は強く、防水層を破ってしまう可能性があるので早めのメンテナンスがお勧めです。

水がたまる

床の防水効果が低下していることを示しています。

雨漏り

ベランダの下地が水分を含んでしまっているため、絶縁工法で防水工事を行う必要があります。

防水工事をしないでいると…

屋上やベランダ・バルコニーから雨水や湿気が侵入すると、
そこから住宅全体に劣化がひろがっていきます。
湿気を好む腐朽菌(木材を腐らせる菌)の繁殖やカビの発生を招いてしまいます。

壁や屋根材の中で進行していく劣化は気づきにくく、
雨染みが目に見えて表れてきたときには、
内部はかなり劣化が進んでいることがあります。

劣化が広がると建物の強度が低下し、地震や台風などの自然災害に見舞われた時、
倒壊など思わぬ被害を出てしまうこともあります。

防水工事は、そういった危険から住宅の命を守る、大切な役割をはたしてくれるのです。

かながわ住宅コープでは、厳選された工事会社から当組合の基準をクリアした認定者のみ施工を行うことができます。
そのため、組合員様は安心してご依頼をいただけます。

また、見積金額のチェックや工事が適切に行われているか確認を行い、尚且つ
アフターケアも万全にご用意しております。

防水工事やリフォームで業者探しにお困りの方は、ぜひご相談ください。